たびろぐ

ジオサイトを訪れる旅を中心に。山登りをした際は岩石の写真記録として。

日本の地形・地質―見てみたい大地の風景116 (列島自然めぐり) 年代で見る 日本の地質と地形: 日本列島5億年の生い立ちや特徴がわかる

2018春 日本海 鳥取県〜兵庫〜京都 旅行 3日目

旅行3日目。

早朝、外湯に向かう途中に見つけた石。天然の柱状節理を切ったもののようです。

ちなみにこの写真の向こう側、旧御所湯跡地に2010年完成の「ポケットジオパーク」があり「石の蜂の巣」と名付けられたモニュメントなどがあったそうなのですが、更地になっていました。。何があったんだろう。

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気を取り直し、まずは今回の旅行の1番の目的であった玄武洞」へ。

大きな川、「円山川」です。川沿いを南下していきます。

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城崎温泉から近いのですぐに到着。

 

玄武洞は160万年前の火山活動で発生した玄武岩質柱状節理の発達が観察できる場所です。岩石名「玄武岩」はこの場所にちなんで名付けられました。また松山基範がここ玄武洞で「地球磁場が逆転していた」ことを見つけ、世界に先駆けて発表したことでも有名な場所です。

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 5ヶ所見学できる場所があり、まず1カ所目はメインの「玄武洞」

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写真で見た通り!

洞になっているのは、採石場として石を掘り出したからだそうです。

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こちらは「青龍洞」。龍が昇るかのように、岩の柱に流動性を感じるとても美しい柱状節理です。

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 「白虎洞」横向きに柱状節理が発達。

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こちら「南朱雀洞」

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「北朱雀洞」

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 また玄武洞のすぐ近くに「玄武洞ミュージアム」があります。鉱物や化石が展示されているとのことです。

玄武洞(げんぶどう)ミュージアム

そしてこの建物横のショップで知った「豊岡鞄」。奈良時代から始まる柳細工を起源とし、今では鞄の生産地となっているそうです。すごく気に入った柳細工の鞄がありました。買わなかったのですが、玄武洞ミュージアムの見学も兼ね、近い内にまた訪れようと思います。

 

さぁ、次はどこに行くかと言うと、、その名を聞くだけで心が躍る「水晶浜」

 

小浜海水浴場側に車を停めて遊歩道へ向かいます。

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少し歩くと「ライオン岩」が。海に向かって座っているように見えます。草木が茂っていて見つけづらかったです。

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水晶浜に到着!なんかイメージしていたのと違う。。ごみが打ち上げられていてきれいじゃない。。

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でも足元をよく見ると、、、きれい!

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透明な粒が高温石英の仮晶です。選りすぐんでみると、、

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キラキラ。

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 結晶の形(6角両錐)を残しているのがなんとなくがわかりますでしょうか?

 そして、この浜でもう1つきれいな石を見つけました。「玉滴石(Hyalite)」ではないかと思います。正確に言うと見つけたのは私ではなく連れです。連れ、good job! 

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さて、もう少し足を延ばし「立岩」へ向かいます。

途中のジェラート屋さん「アケイシアファーム 網野本店」に立ち寄りました。

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ソフジェラを注文。ソフトクリーム&ジェラートです。ジェラートは「琴引の塩」をチョイス。美味しくいただきました。

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 車を走らせること20分弱、「立岩」に到着しました。見事にそそり立つ玄武岩の柱状節理!

新生代新第三紀の火山活動により生成されたと考えられています。

近くまで行きたかったですが波が荒いのでやめました。

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浜辺に落ちていた石。

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今日も充実したジオサイト巡りの1日となりました。他にも見たい場所がありましたが、旅行中焦るのも良くないので城崎温泉に戻り、街を浴衣でお散歩などしてゆっくりと過ごしました。

 

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2018春 日本海 鳥取県〜兵庫〜京都旅行 2日目

今朝の天気は曇り空、少し雨もぱらついていますが昨日よりは良くなっています。まずは「鳥取砂丘」へ。

プレハブ小屋の「鳥取砂丘ジオパークセンター」で散策ルート確認。直ぐそばに改修中(建設中?)の建物があったので、完成したらそちらに移るのかもしれませんね。

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寒いし風も強い。。でもこの強い風が鳥取砂丘を生み出しています。まずは遠くに見える丘、高さ47メートルの「馬の背」を目指します。

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馬の背に到着。そこから北方向を見下ろした写真。写真だと穏やかに見えますが、頂上にいると風に煽られた砂にバシバシ叩かれて、立っているのも大変です。

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少し進んで人が少ないところでは「風紋」ができています。

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こちらは大山の火山灰が露出している場所。5万5千年前の地層です。

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いやぁ、砂丘散歩、楽しすぎてポケモンするを忘れてしまいました。晴れた日にまた来てみたいです。

お次は砂丘と道を挟んで反対側にある「露頭」を見学へ。

脇に立っていたポールははじめ排水管かと見間違えましたが、三層の目印でした。

一番下が「古砂丘層」。第3氷期辺りらしいので、20万年前以降ですね。

真ん中のオレンジの層は「火山灰層」。大部分は5万年前の大山の噴火で飛んできた黄褐色の軽石からなる地層。下には阿蘇4火山灰(9万年前)や三瓶木次軽石(11万年前)、上には姶良Tn火山灰(約2.5万年前)も混じっているそうです。

三瓶山は2年前に登り、姶良については今年になって桜島を訪問した時に触れたばかりなので親近感がわきます。

そして一番上の層が「新砂丘層」になります。

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かの有名な鳥取砂丘にようやく足を踏み入れることができ感無量でした!

 

さてお次は 「岩戸海岸のタフォニ」を見に行きます。

車窓からは「らっきょう畑」が見えます。「砂丘らっきょう」と呼ばれ、砂地でも育つ強い生命力を持つらっきょうの栽培が盛んだそうです。

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 目的地に近づくとお地蔵さんがまつられているタフォニ発見。「窟石尊(くっせきそん)」と呼ばれているそうです。

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岩戸漁港近くに車を停め、海岸沿いの山道を歩きます。

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この右側の岩がタフォニのような、、でももう少し進んでみます。本日は波が荒く、クルーズも欠航。翌日も波が荒かったため、残念ながらこの旅行中に海から岩々を眺めることはできませんでした。

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遊歩道はこんな感じです。草が刈られていて歩きやすかったです。

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歩道沿いにかわいい花が咲いていました。「タニウツギ」といって日本海型気候の山地の谷沿いや斜面に多く見られるそうです。初めて見ると思います。本旅行中時々目にしました。

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タフォニ発見! 本当はもっとわかり易い場所があるようなのですが、見つけられなかったのでこれで良しとし引き返しました。

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お次は「千貫松島」へ。

漁港近くに車を停めて遊歩道を進みます。

険しくも美しい風景が見えてきました。

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あ、ありました。穴が開いているのが「千貫松島」です。

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岩は花崗岩だそうです。岩の上にある1本の松が特徴です。岩質は違いますが切り立った岩だからか、和歌山県の海金剛を思い出しました。

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 遊歩道に露出した岩。花崗岩のようです。

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 お次は「城原海岸」へ。

空も晴れてきて景色がとても美しいです。

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この辺りの岩は花崗岩ですが、ところどころに紫-ピンクがかった部分があります。これは石英斑岩の岩脈だそうです。写真にはうまく色が現れていないのですが、その色が非常に美しく感じました。

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海岸にあった石。

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お昼ご飯は「シーサイド浦富 海鮮食堂」でいただきました。 

鯛の塩焼き、サラダ、茶碗蒸し、おしんこ、ご飯、味噌汁がついて1080円。美味しかったです!

 

さて、お昼の後は食堂のすぐ近くにあるジオパークセンターに立ち寄りました。

「山陰海岸ジオパーク 海と大地の自然館」 

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f:id:daifukupon:20180522122217j:plainさかなクンがギョギョバイザー。さかなクン絵が上手いなぁ。

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それほど広くありませんが、小さい博物館のようでちゃんと手がかけられています。子供向けのイベントも開催されていました。

 

さて、お次はジオパークセンターのはしごで、但馬海岸近く、新温泉町にある「山陰海岸ジオパーク館」。なぜこんな近い距離に2つのジオパークセンターがあるかというと、県を跨いでいるからでしょう。

 

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名前だけで写真を撮ってしまった 北海道 「ガッカリ沢」の明礬石。ネット情報によるとガッカリ沢は小樽市の朝里地区らしいのですが、今はダムに沈んでしまったとか。

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 話は変わりますが、ちょうどこの旅行の数日後、このままだとジオパーク認定を取り消されてしまうかもしれないというニュースを見ました。

私が今回山陰海岸ジオパークに来て個人的に感じたのは、見どころのパンフレットが個々の冊子として何種類もあり(地域ごと)、どれを見たら良いのかわからないなぁと、ということでした。できれば1つが良いですが、3県を跨いでいるのでせいぜい3つくらいにしてくれたらまだ分かりやすかったかも。

あとはここだけではありませんが、文化、また自然分野でも生物、植物、地学、全てを縦グシ(ある地域に絞って)で紹介されていることが多いです。できれば横グシでジオパーク全体の中からトピックを絞り(例えば地学だけ)を取り上げたパンフレットがあると良いのに、と常々感じています。

良かった点は人。どの施設の方も人柄がよく、私からの問いに親身になって対応してくれました。

 

さてお次は「三尾大島」の 対岸へ。「三尾大島」は流紋岩質の柱状節理が見られるのですが、波が荒く船は欠航。ジオパークの方に同じような節理が見られるこの場所を教えていただきました。

 この辺り↓↓

遊歩道ではないので足元注意。

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本日のジオサイト巡りはこれにて終了!お宿に向かいます。 

途中「余部橋梁」を通り過ぎる際、いいタイミングで電車が来ました。余部橋梁は1986年に転落事故が発生、亡くなられた方もいらっしゃるということを知りました。

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ようやく無事宿に到着!本日の宿泊は「城崎温泉」 。あの志賀直哉の「城の崎にて」の城崎です。はて、どんな物語だったかな??

それはさておき、浴衣で行き交う方々と下駄の「カランコロン」が情緒を引き立て、雰囲気がとてもいいです。

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 ただゴールデンウィーク中ということで、外湯はどこも激混みでした。。

 

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2018春 日本海 鳥取県〜兵庫〜京都旅行 1日目

ゴールデンウィーク後半、「玄武洞」の見学を兼ねた旅へ。

 

昼過ぎの飛行機に乗り鳥取空港へ飛びます。天気は曇り。一緒に飛行し始めたお隣のJALさんをパチリ。

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 鳥取の空港ですが、正式には「鳥取砂丘コナン空港」。コナンの作者さんの出身地なんですね。

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時間通り鳥取に到着し空港でレンタカーを借りました。車は空港内の駐車場に用意されているのでとってもスムーズでした。

こじんまりした空港でANAの羽田便のみが就航されています。

 

さて、晴れていたら「鳥取砂丘」に行くことを考えていましたが、雨が振っているので「鳥取県立博物館」に向かいます。 博物館は「鳥取城跡」の麓にありました。

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常設展に入ってすぐに現れた「地質コーナー」。テンション上がります。

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ここ鳥取や島根の中国山地は「花崗岩」が多くみられるそうです。花崗岩には磁鉄鉱を多く含むものがあり風化した花崗岩から砂鉄を取りだす「製鉄」が行われていたとのこと。

また「鳥取砂丘」の砂も風化した花崗岩が千代川を下り日本海にたどり着き、沿岸にたまった砂が強風により海岸に吹き上げられてできたものです。

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鳥取県の地質模型

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鳥取県若桜町角田の翡翠

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 扇ノ山が噴火した際のリボン状火山弾。

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鳥取県の鉱物は「クロム鉄鉱」。日南町にはクロム鉄鉱を含むかんらん岩が分布しており(クロム鉱床)、日南町にある若松鉱山は国内最大の生産量を誇ったそうです。

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県の岩石は「砂丘堆積物。説明が岩石ではないけれど・・、となっていますが、鳥取ならではで良いと思います!

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蛍光鉱物

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 鉱物コーナー

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まんじゅう石

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生物コーナー

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歴史・民族コーナー

「子持勾玉」。大型勾玉が2個横に並ぶものは珍しいそうです。

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ぬぼーっとした「埴輪」

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二匹の龍が玉をくわえた「柄頭」。地質以外は埴輪と柄頭にどうも惹かれてしまうようです。

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ワークカードもやってみましたが楽しかったです。

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閉館時間が近づいてきたので特別展をさっと見た後は駅前のホテルに移動。

 

晩御飯は「串焼き 御銀」でいただきました。美味しかったです。

「旅行中は旅館で毎晩魚食だから肉を食べておこう!」と選んだ肉系のお店でしたが、旅館の食事は「但馬牛」のしゃぶしゃぶやすき焼きなど、肉料理を選んでいたことに後で気づきましたが。。

 

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